ブログ

『寿命』

2021.01.16ハーバーマスター日記
下取り船外機

下取り船外機

整備中のヤマハSX370KS

整備中のヤマハSX370KS

整備中のヤマハSXドライブ

整備中のヤマハSXドライブ

整備中のヤマハD201KH

整備中のヤマハD201KH

寿命と言っても人ではなく船のお話。
船の場合寿命というより耐用年数と言った方が正しいのかもしれない。
中古艇の商談で艇体やエンジンの耐用年数を問われることがある。
だが、この質問は意外と奥深くいつも返答に苦慮する。
まず、FRP船のエンジンは主に船外機とディーゼルに分類され、船外機の劣化消耗は使用形態、業務かプレジャーで大きく違ってくる。
そして、消耗を知る上で一番の目安は使用時間、たとえ同じ使用時間であっても業務で常時重量物満載(過負荷)で高回転使用されたものと、プレジャーで流し釣り等低回転(軽負荷)で使用されたものとでは格段に違う。
次に、腐食においても保管形態が陸上保管(フラッシングの有無)or係留保管(海水・淡水)で差が生じる。
また、気になる事故歴、修理歴はオーナーが代われば代わるほど信憑性は欠けるが、
我々販売業者はそれらを鑑みエンジンの状態を見極め、修理費や整備費、更に今後の使用年数(時間)の目安を示さないといけない。
20年前よく2スト船外機は1000hといわれていたが、電子制御され品質も向上した現在の4ストは2倍の2000hと思っていいだろう。
ただ、この2スト1000h、4スト2000hは決して寿命ということではなく、この時間までなら定期的な消耗品交換で故障の発生率を低く抑えられるという意味。
経験上ここらを過ぎた辺りからコア部品が壊れ始め高額修理が発生するようになるので下取り価格や海上トラブルの不安を考慮すれば換え時となる。
まあ、愛着からF115を16年間で7500hといったヘビーユーザーもいたが、通算の修理代はゆうにもう一台買える程掛かっている。
あと、プレジャー仕様のディーゼルは漁船の舶用ディーゼルと構造上の違いがあり、舶用のように10000hでヘッド解放してまで使用しない傾向にあり、目安はザクっと5000h。
しかし機種によっては生産中止から20年を過ぎた辺りから部品供給が怪しくなり最悪修理不能ってことも考慮しておかないといけない。
また、艇体は軽微なクラックやデッキの剥離があったとしても美観さえ気にしなければ支障はないが、エンジンは年式(使用時間)なりに消耗しており、欲しい気持ちで前のめりになるのも解かるが購入後に掛かるであろう整備代をプラスして検討するようアドバイスしている。