『船齢』

今や人も船も高齢化社会。
小型船舶の新艇登録はバブル景気の８０年後半から９０年代にかけてがピーク。
その後新艇登録数は減り現在ピーク時の約３割。
巷で中古艇が少なくなったと言われているが実はそうでもない。
経年劣化が進み我々業者が商材として扱える物件は確かに減少した、しかし絶対数はむしろ増加した感さえある。
バブル期大量に販売された船も既に３０年、ほぼ耐用年数に達した。
業務船はともかく、船齢２０年を超えたプレジャーボートの再販は厳しい。
もっと古い２５年、３０年落ちの再販となれば個体差もあれど、ユーザーの満足を得ようとなると再生費が仕入価格を上回ることも決して珍しくない。
勿論この再生作業もメーカーから部品の調達が可能な場合に限られるが…
この年式の多くが、個人売買（ノークレーム、ノーリターン）で売買されているのも納得のいくところだ。
この年代の物件を弊社では①再生販売②海外輸出③廃棄処分に選別。
よくお客様にヤードのボート（ネット非表示）を売って欲しいと言われるが、業者として責任がとれないという理由でお断りしている。
昨今、産廃業者の営業が増えたことからも③廃棄処分艇の増加が窺える。
登録年度ごとの登録数と賞味期限を鑑みれば、この現象も後数年で沈静化するものと思われる。